曼珠沙華
GONSHAN. GONSHAN.
赤い、
けふも手折りに來たわいな。
GONSHAN. GONSHAN.
地には七本、血のやうに、
血のやうに、
ちやうど、あの兒の年の
GONSHAN. GONSHAN. 氣をつけな、
ひとつ
日は眞晝、
ひとつあとからまたひらく。
GONSHAN. GONSHAN.
曼珠沙華、
作者と作品について
- 作者
北原 白秋(きたはら はくしゅう)
1885年(明治18年)~1942年(昭和17年)
福岡県出身
- 作品
「曼珠沙華」は、詩集『思ひ出』に収められています。
この詩には、山田耕作が曲を付けていて、童謡としても知られています。
GONSHANというのは、白秋の出身地である柳川の方言で、「良家のお嬢さん」という意味。
GONSHANは、幼女なのでしょうか?それとも、母親なのでしょうか?
母親の場合、七歳で亡くなった子の墓参りに来たのか、それとも水子で、生きていれば七歳の子を弔いに来たのか、いろいろ解釈できそうです。