山村暮鳥

冬の詩

山村暮鳥 「雪ふり蟲」「初冬の詩」「路上所見」「大風の詩」「風の方向がかはつた」(詩集『風は草木にささやいた』より)

雪ふり蟲 いちはやく こどもはみつけた とんでゐる雪ふり蟲を 而も私はまだ 一つのことを考へてゐる 初冬の詩 そろそろ都會がうつくしくなる ...
冬の詩

山村暮鳥 「ランプ」「夜の詩」(詩集『風は草木にささやいた』より)

ランプ 野中にさみしい一けん家 あたりはもう薄暗く つめたく はるかに遠く ぽつちりとランプをつけた ぽつちりと點じたランプ ああ 何といふ眞實...
秋の詩

山村暮鳥 「りんご」「赤い林檎」(詩集『雲』より)

りんご 兩手をどんなに 大きく大きく ひろげても かかへきれないこの氣持 林檎が一つ 日あたりにころがつてゐる 赤い林檎 林檎を...
夏の詩

山村暮鳥 「西瓜の詩」(詩集『雲』より)

西瓜の詩 農家のまひるは ひつそりと 西瓜のるすばんだ 大でつかい奴がごろんと一つ 座敷のまんなかにころがつてゐる おい、泥棒がへえるぞ わたしが...
春の詩

山村暮鳥 「風景 純銀もざいく」(詩集『聖三稜玻璃』より)

風景 純銀もざいく いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめ...
春の詩

山村暮鳥 「春の河」「蝶々」(詩集『雲』より)

春の河 たつぷりと 春の河は ながれてゐるのか ゐないのか ういてゐる 藁くづのうごくので それとしられる おなじく 春の、田舍の 大き...
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