高村光太郎 「冬が来た」(詩集『道程』より)

冬が来た

きつぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹いてふの木もほうきになった

きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木にそむかれ、虫類に逃げられる冬が来た

冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食ゑじき

しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た

作者と作品について

  • 作者

高村 光太郎(たかむら こうたろう)
1883年(明治16年)~1956年(昭和31年)
東京都生まれ

  • 作品

「冬が来た」は、詩集『道程』に収められています。
光太郎は「冬の詩人」と呼ばれるほど、冬の詩を多く生み出しています。
この「冬が来た」も、「人にいやがられ」「草木に背かれ、虫類に逃げられる冬」を、きっぱりと内部に受け止めて、冬の厳しい精神性を、力強く簡潔なことばでうたっています。

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冬の詩
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