秋の詩 島崎藤村 「初恋」(詩集『若菜集』より) 初恋 まだあげ初(そ)めし前髪(まへがみ)の 林檎(りんご)のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛(はなぐし)の 花ある君と思ひけり やさしく白き手... 秋の詩
夏の詩 島崎藤村 「椰子の實」 (詩集『落梅集』より) 椰子の實 名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の實一つ 故郷ふるさとの岸を離れて 汝なれはそも波に幾月 舊もとの樹は生ひや茂れる 枝はなほ影を... 夏の詩