北原白秋

秋の詩

北原白秋「片恋」(詩集『東京景物詩乃其他』より)

片恋 あかしやの金きんと赤とがちるぞえな。 かはたれの秋の光にちるぞえな。 片恋かたこひの薄着うすぎのねるのわがうれひ 曳舟ひきふねの水のほとりをゆくこ...
夏の詩

北原白秋「落葉松」(詩集『水墨集』より)

落葉松 一 からまつの林を過ぎて、 からまつをしみじみと見き。 からまつはさびしかりけり。 たびゆくはさびしかりけり。 二 からまつの林を...
春の詩

北原白秋 「糸車」(詩集『思ひ出』より)

糸車 糸車、糸車、しづかにふかき手のつむぎ、 その糸車やはらかにめぐる夕ゆふべぞわりなけれ。 金と赤との南瓜たうなすのふたつ転ころがる板の間まに、 ...
秋の詩

北原白秋 「曼珠沙華」(詩集『思ひ出』より)

曼珠沙華 GONSHAN. GONSHAN. 何處(どこ)へゆく、 赤い、御墓(おはか)の曼珠沙華(ひがんばな)、 曼珠沙華(ひがんばな)、 けふも手折...
夏の詩

北原白秋 「海の向う」(童謡)

海の向う さんごじゆの花が咲いたら、 咲いたらといつか思つた、 さんごじゆの花が咲いたよ。 あの島へ漕いで行けたら、 行けたらといつか思つた、 ...
春の詩

北原白秋 「薔薇二曲」(詩集『白金之独楽』より)

薔薇二曲 一 薔薇バラノ木二 薔薇バラの花サク。 ナニゴトノ不思議ナケレド。 二 薔薇ノ花。 ナニゴトノ不思議ナケレド。 ...
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